focuson_cultureのブログ

洋服と音楽と映画と。何かに夢中になるキッカケになれば。

【MUSIC】Billie Eilishと色々

 ビートルズジミ・ヘンドリックス、クイーンにマイケル・ジャクソンニルヴァーナアリアナ・グランデなど、歴史上で若くして活躍したアーティストは数多く存在する。

 2020年現在、彼らに肩を並べるくらいに時代を作っているアーティストがいる。

今回は、そんな時代の象徴ビリー・アイリッシュについて熱く語りたい。

 

【Billie Eilishとは】

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  2001年12月18日生まれの18歳のシンガーソングライター。

 2019年3月29日に発売した『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』では、全世界18カ国で1位を獲得。世界中で250億回再生されており、2019年で最も売れたデビュー・アルバムとして話題を集めている、今大注目のアーティスト。

 また、2020年4月に公開の映画『007 / ノー・タイム・トゥー・ダイ』や横浜流星主演のドラマ『白でも黒でもない世界でパンダは笑う』では主題歌を務めている。


Billie Eilish - bad guy

 

グラミー賞5冠】

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 日本時間1月27日に開催された「第62回グラミー賞」では、主要4部門を含む5冠(年間最優秀楽曲賞(“Bad Guy”)・最優秀新人賞・年間最優秀アルバム賞・年間最優秀レコード賞)を獲得した。主要4部門の独占は39年ぶりの史上2度目で、女性としては初、そして18歳での独占は史上最年少である。

 

【Billie Eilishの曲作り】

 ビリーは、実の兄フィニアスと一緒に音楽を作っている。メジャーレーベルからの支援を受けながら、共に曲作り・録音を自宅のベッドルームで行うDIYなやり方だ。

他のアーティストに比べ、兄妹のみでの曲作りという圧倒的に閉鎖的なやり方だが、だからこそ彼女のサウンドや歌声には他にはない個性を感じる。

 

【Billie Eilishの魅力】

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ここからは、僕が思うビリーの魅力です。あくまで個人的意見です。

①多感な時代に受けた影響

 ビリーは影響源としてTyler, The CreatorやChildish Gambino、Lana Del Reyなどを挙げている。また、彼女の父親が小さな頃からいろいろな音楽に触れさせていたことにも強い影響がある。

 

②ファッション

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 Z世代のスタイルとして注目される彼女のファッションは、本当に奇抜で、ルーズなシルエットが特徴的である。しかし、「奇抜でぶかっとしている」で終わらせてはいけないのが彼女のファッション。サイズの大きな服を着ている理由について、世間に自分の全てを知られたくないからだと語っている。個人の考えや内面が外見に現れているファッショニスタだと僕は思う。

 

③親近感

 アーティストや俳優というのはいつもかけ離れていて、雲の上のような存在だと考えてしまう。しかし、ビリーの書く歌詞にはティーンエイジャーの悩みや葛藤、孤独、不安が描かれており、人間味を感じる。アーティストである前に一人の10代であるというような。

 ジャスティン・ビーバーの熱狂的なファンというのも親近感がある。

 

【何故Billie Eilishは売れたのか】

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 最後は、彼女が売れた理由について考察したい。

 2010年代後半のポップシーンは、80年代の産業ロックに続く「再産業化」の時代だった。DJキャレドのように大ヒットを飛ばすプロデューサーの作品には、決まって豪華なラッパーやシンガーがゲストにいて、フィーチャリングやコラボが当たり前のように繰り広げられた。誰もが馴染める曲で大ヒットを飛ばし、売れるために作られたような、産業化した音楽だ。その背景には、ストリーミングサービスの普及によるグローバルな音楽市場が拡大したことがある。

 しかし、それに反抗するカウンター・カルチャーは着々と芽生えていた。ラップ・ポップ・ロックを融合させたPost Maloneや、ヒップホップとカントリーを融合させたLil Nas Xのような、ジャンルの定義が曖昧なジャンルレス音楽の登場である。ビリーの音楽は、ジャンルとしてはオルタナティブとなっているが、そのサウンドは他にはない独特なもので、既存のルールに縛られないところに共通点がある。

 ジャンルレスの概念は音楽に限らず、ファッションでも同じことが言える。膨大すぎる情報網、グローバル化、LGBTQ、女性差別の撤廃、SDGsサステナビリティの考え方は拡大し、ファッションにおいてもEC・ボーダレス・ジャンルレス・エイジレス・ジェンダーレスはかなり浸透し、様々な面で境界線は無くなってきている。

 ラグジュアリー×ストリートやミックススタイル、ジェンダーレスファッション、メンズライク、マスキュリンなど、どれも無視できない傾向の1つである。

 何十年か前の時代には、原宿の通り1本でカルチャーは移り変わっていた。みゆき族竹の子族、ローラー族、カラス族、ボディコン。世界のムーブメントに目を向けると、ヒッピーやパンク、ザズー、グランジなど切りがない。

 しかし、洋服店と雑誌が情報源だった当時に代わり、インターネットとSNSが発達した現代はインスタグラムで誰でも自由に発信し、「バズれば」誰もが流行やブームを作れる時代である。誰が書いたのかわからない、今年はこれが流行ります!とか次はコレが来ます!なんてもはや信用できない。

 結局何が言いたいのかというと、ビリー・アイリッシュがヒットしたことは必然だったということだ。音楽・ファッション・流行・経済でも何でも、境界線がなくなり、世の中は混沌とし、曖昧で、不確実?不安定?になっている。

 そこで、誰もが感じているそのような不安を代弁するかのように現れたのが、時代の象徴ビリー・アイリッシュである。と個人的に思う。

ささやく声とダークな低音、ファッション、その全てが今の世の中を表しているかのようだ。