ソウル・ミュージックの教科書
こんにちは。ブログを運営しています入井奏流(イリイソウル)と申します。
生まれてもうすぐ21年が経ちますが、友人や初めて会う方には「韓国のソウル?」とか「魂のソウル?」とか言われたすることが本当に多いです。初対面の方に会うことが多い最近は、特に名前について聞かれます。
そんな私の個性でもある奏流という名前は、ソウル・ミュージックが由来となっており、音楽オタクの父親が名付けてくれました。幼少期に黒人音楽からシティポップまで幅広い音楽を聴かされていたことが、今こうしてあらゆることに興味を持ち、それを表現していることのルーツであると日々感じています。
さて、今回は名前のルーツでもあり、私自身に前向きな影響を与えた〈ソウル・ミュージック〉についてです。
ソウルという名前を付けてもらった以上、ソウルを布教しないわけにはいきません(笑)
前置きが長くなりましたがそれではお楽しみください。
【ソウル・ミュージックとは?】
ソウル・ミュージックとはポピュラー音楽の1つで、1950年代~1960年代にかけて自然発生したR&Bの1種です。そのため、CDショップなどでは、〈ソウル/R&B〉とジャンル分けされていることが多いように感じます。
イギリスのブルース・ロックにブルース色が強いように、ソウルには黒人音楽のゴスペル色が強く出ていることが多いです。
音楽の特徴として、ゴスペル由来の進行やキャッチーなリズム、コールアンドレスポンス、シャウトやファルセット(裏声)などがあります。
【ソウル・ミュージックと黒人文化】
音楽の力は素晴らしい。音楽はいつも力を与えてくれます。仕事に疲れた時も、大切な人を失った時も、戦争や災害を乗り越える時も。音楽の持つパワーは今も昔も変わらないし、サブスクリプションが進んでも絶対に変わらないと思います。
ソウル・ミュージックは、黒人に強い影響を与えたジャンルの1つです。
1960年代半ばからシンガーたちもソウルを自覚します。その背景には、白人による人種差別の下で黒人の誇りが虐げられていた時代に、ソウルを使って自分たちの誇りを取り戻そうという意識がありました。
その意識からか、神を讃えるゴスペルの派生からなのかは分かりませんが、ソウルには人間愛を訴える前向きなメッセージが強い歌詞が多いです。
その前向きなメッセージが黒人に影響を与えた出来事。それが「公民権運動」でした。公民権運動とはアフリカ系アメリカ人による公民権(選挙権など含む)と人種差別の撤廃を求めて起こった運動のことで、この運動をソウル・ミュージックの前向きなメッセージが後押ししたと言われています。
その後、「I have a dream」で有名なキング牧師の演説もあり、公民権法が制定されて平和的に人種差別は撤廃されることになります。
ソウル・ミュージックの発展にはもう1つのエピソードがあります。ソウルのルーツであるゴスペルが「教会で歌われる聖なる音楽」の殻を破り、世俗の音楽へと進出したことです。教会音楽が商業と結びついたことで、ソウル・ミュージックは完全にポピュラー音楽として結びつきます。
【偉大なソウル・シンガー集】
自分の名前(奏流)の由来となったアーティストを紹介します。
Ray Charles - Hallelujah I Love Her So [1963]
盲目でありながらも55年間の音楽活動を続けた「ソウルの神様」。数々のアーティストに影響を与え、ソウル、R&B、ジャズ全てを牽引してきました。
Sam Cooke - You Send Me (Live)
上に書いた「聖なる音楽」と「世俗音楽」を結び付けた男。父親が牧師だったことから、黒人音楽とは親しみの強かった彼は、「ユー・センド・ミー」のヒットを期にポピュラー音楽へと乗り出します。人の心を動かすメロディーと、以前のゴスペルにはなかった明るい歌詞は、黒人だけでなく白人の心も掴みました。
Aretha Franklin - Think (feat. The Blues Brothers) - 1080p Full HD
圧倒的な歌声とゴスペル・フィーリングから「クイーン・オブ・ソウル」「レディ・ソウル」という異名を持つアレサ。ビートルズの「Let It Be」は実はアレサのために書かれた曲だというエピソードもあります。レイ・チャールズから影響を受けた彼女は、女性解放運動や公民権運動にも大きな影響をもたらしました。
シャウトを用いたヴォーカルとファンクなサウンドが特徴的なJB。ローリング・ストーンズ、マイケル・ジャクソン、プリンスなどに多大な影響を与えたアーティストです。彼らから影響を受けたニルヴァーナやレディ・ガガ、ブルーノマーズのもとを辿るとJBに帰結するのです。
Otis Redding - Try A Little Tenderness
サム・クックから多大な影響を受けたアーティストの一人。数々のアーティストのカバーアルバムからデビューし、「ソウルの王」と呼ばれています。名盤は『Otis Blue』
牧師の息子として生まれ、歌手デビューを果たした偉大なアーティスト。彼の人生は女性関係やドラッグ、ステージ恐怖症など壮絶ですが、『What's Goin' On』『Let's Get It On』など数々の名盤を生み出しました。実の父親に射殺され、44歳の若さでこの世を去ります。
30曲以上のUSトップ10ヒット曲、グラミー賞で最も受賞回数の多い男性ソロアーティスト。音楽界きっての偉大なアーティストであることは間違いないでしょう。膨大な和夫ヒット曲が存在します。彼もまた視覚障害を持ちながらも活躍したアーティストです。
⑧スライ&ザ・ファミリー・ストーン
Sly & The Family Stone "Stand!" LIVE on U.S. TV 7/74
人種性別混合バンドとして1967年に正式にデビュー。フジロックのルーツでもある伝説の野外フェス「ウッド・ストック」では強烈なファンクを会場に響かせ、不動の人気を納めます。リーダーのスライ・ストーンはその後ドラッグに侵され、音楽とは距離を置きます。名盤は『スタンド!』『暴動』
Curtis Mayfield - Move On Up (1970) HQ Audio
シカゴに生まれ、インプレッションズとして活動した後、70年にソロデビューしたカーティス。公民権運動やベトナム戦争に対するメッセージの他、カッティングギターやファルセット、ホーンセクションなど、黒人音楽のアイデンティティが満載です。ソロでは「Move on Up」や「Superfly」など大ヒット曲を生み出しています。
Al Green - Let's Stay Together
ソウルだけでなく、70年代のヒット曲を語る上でも外せないアル・グリーン。彼のヒット曲「Let's Stay Together]は、以前に紹介した映画『パルプ・フィクション』にも使われています。
このほかにも、オージェイズやアース・ウインド&ファイアー、ダニー・ハサウェイ、ビリー・ポール、バリー・ホワイトなど数多くいます。
【番外編】ブルース・ブラザーズ
ソウルやR&Bが好きな人・興味を持った人に是非観てほしい一本。
かつて育った孤児院の危機を救うために、ジェイク兄弟が昔のバンド仲間と一緒にコンサートを開催するというストーリー。劇中には上で紹介したレイ・チャールズやアレサやJBが登場します。ラストはアメリカらしいド派手な演出で、アクション・ミュージカル・コメディ映画です。
【最後に】
ソウル・ミュージックに少しでも興味を持っていただけたでしょうか。
文章で読むよりも、やはり音楽は聴いたほうが伝わると思うので、厳選したプレイリストを張り付けておきます。前向きな気分になりたい時や気分がいい時には是非ソウル・ミュージックを。
↓Apple Music
https://music.apple.com/jp/playlist/%E5%A5%8F%E6%B5%81-soul-music/pl.u-RRbV0XNsy7pDp8
↓YouTubeプレイリスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLUGs12fexmFnW671eplELVsyP3lnvG_p7
ソウル・ミュージックを少年時代からずっと聞いてきたせいか、基本的に何事にも前向きである傾向が自分にはあります。辛い時には音楽で乗り越えようというマインドもソウルならではの考え方です。そういう意味では、かなりソウル・ミュージックにポジティブな影響を受けています。(笑)
紹介したアーティストについて、いずれ詳しく紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それではお楽しみに。ソウルでした。
*1:※ゴスペル:教会で歌われていた神を讃えるメッセージを持った音楽