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【Movie】「紳士とは」教えてくれる映画

 「マナーが紳士を作る。」映画『キングスマン』の中で、コリン・ファース演じるハリー・ハートはそう言った。

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 年齢は関係なく、男たるもの紳士であるべきである。そして紳士たるもの教養深く、マナーを身につけなければいけない。私はそう思う。

 今回は、「紳士とは何か」を教えてくれる映画『キングスマン』を紹介したい。

 

キングスマン』(2014)

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(あらすじ)

 ロンドンの高級紳士服店が並ぶサヴィル・ロウ。その通りには、「キングスマン」という高級テーラーがあった。しかし、実はキングスマンは、テロなどの危険から世界を守るために活動しているスパイ機関だった。母親と暮らす無職の主人公エグジー(タロン・エガートン)は、エリートスパイのハリー・ハートにキングスマンのスパイ候補生に抜擢される。エグジーはハリーに過ごすうちに紳士としての教養を学び、一流のスパイに成長していく。という様な内容だ。(かなりザックリ過ぎるが)

 『キングスマン』は何度観ても、戦闘シーンのカッコ良さにため息が出てしまうほどの素晴らしいアクション映画だ。お堅いスーツを着た英国紳士が華麗に戦うなんて、そんな最高な話があるだろうか。

 

 そうだ、「紳士とは何か」を教えてくれる映画 というテーマを忘れていた。

 劇中でハリーは、紳士になるための名言を沢山残している。

「マナーが人を作る」

 絡んできたチンピラ達を、ハリーが1人で倒してしまうシーンに言う台詞だ。本作の中で最も重要な言葉の一つだろう。

「スーツは現代の鎧、キングスマンは新時代の騎士」

 「スーツは現代の鎧、傘は現代の剣」というイギリス文化を象徴していると思われる台詞。さらに新時代の騎士という言葉から、ハリーの思い描く紳士像が、勇気・忠誠・礼節を重んじる騎士道であることも分かる。

「人は生まれた家柄で紳士になるんじゃない、学んで紳士になるんだ」

 ハリーが常にする言葉。もともと上流階級では無いエグジーキングスマンへ入れようとしていることを根拠付けている。そして実際、エグジーも学んで紳士に近づいていく。

「紳士に必要なのは上等なスーツだ。既製ではなくオーダーメイドの」

 仕立ての良いスーツは、体にフィットし、軽く、襟に吸い付くような着心地があるそうだ。この名言はイギリスのオートクチュールの文化を象徴しているだろう。

 そして、良いスーツには良い靴を。ミドルクラスだがチャーチやチーニー、クロケットの黒靴を1度は手にしたいものだ。

"本物を知る "事は、紳士への一歩なのだろう

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 以上の名言からも分かる通り、ハリーの考える紳士像は、身分や階級では無く“志"。古き時代のイギリスでは、血筋や家柄・上流階級の人間が紳士であるとされてきた。ハリーはそれを否定し、志(騎士道の精神)をもつ者こそが真の紳士であり、キングスマンだと考えている。

 

 一作目を観てエグジーとハリーのカッコ良さに気絶した方は、是非2作目のゴールデンサークルも観てほしい。親友と観に行った後、あまりの面白さにウイスキーで杯を交わした、思い出のある映画だ。

キングスマン:ゴールデンサークル】

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 『キングスマン:ゴールデンサークル』は、存続の危機に追いやられたキングスマンが、アメリカの諜報組織ステイツマンと手を組み、麻薬組織ゴールデンサークルに立ち向かう話だ。

 前作に比べ、アクションシーンが更に充実している。ステイツマンのメンバー達のクセのある戦い方が、最高にカッコいい。

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 また、キングスマンのドレススタイルに比べ、ステイツマンはアメリカらしいウエスタンスタイルだ。この対比がストーリーに奥行きを作っているようにも感じる。

 大好きなエルトン・ジョンが出ている他、序盤の戦闘シーンでの挿入歌プリンスの"let's go  crazy"、終盤に歌う「カントリーロード」など音楽的にも素晴らしい作品に仕上がっている。

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 2020年の2月には『キングスマン:ファースト・エージェント』が公開するそうなので、まだ観ていない方は是非。既に観た方、大好きな方はもう一度TSUTAYAへ借りにいこう。

 

 タラタラと、『キングスマン』における紳士像を見てきた。キングスマンの目線から考えると、"紳士"とはマナーを重んじ、志を持った、教養深い人間であろうか。家柄や育ちは関係なく、人は誰でも紳士になれるということも教えてくれた。

 外見にはもちろん気を使おう。現代の鎧を纏い、常にクラシックである事が私の将来の理想だ。だが靴だけでなく中身も磨き、いつかハリーやエグジーのような"真の紳士"になることは、きっと私だけでなく全てのオトコの憧れだろう。

「ローマは1日にしてならず」