【FASHION】僕のParaboot
今回は、私が大好きな革靴のお話。フランスの革靴ブランド、Parabootだ。
今回は、パラブーツの魅力と、私が所有する超定番のchambord(シャンボード)・ブーツのneuilly(ヌイー)の二足の特徴や魅力を伝えていきたい。
【Paraboot】
パラブーツの最大の特徴は、ソールにある。ラバーソール(ゴム製のソール)を自社で製造する唯一のシューメーカーとして名を馳せているからだ。
ラバーにはブラジルのラテックス(天然のゴム)が使用され、採用されているラバーソールは他のどんなファクトリーも真似できないと言われるほどの出来だ。
完成までの150以上の工程を70人のフランスの職人が行う純度100%のフランス製。110年が経った今でもそれを守り続けている、信頼できるシューメーカーである。
日本での知名度はかなり高いが、実は製品の70%が国内流通。「大人になったらパラブーツを履け」と言われるほどに、国民から高く信頼されている。
以上の事からも、パラブーツがどれだけフランスに根差し、国民性に溢れたシューメーカーであるかが分かるだろう。
私が今現在愛用している2足をご紹介したい。
【chambord】
数あるモデルの中でも圧倒的な人気を誇るパラブーツの代名詞、シャンボード。ノルウェイジャン製法という登山靴に用いられる製法で作られているため、防水性と通気性を兼ね備え、ソールの張り替えが容易である事から永く愛用できる一足だ。
私が所有するカラーはマロン、レザーはリスレザーを使用している。
リスレザーとは、リスの革ではなく、生後6ヶ月以内の牛革に油分をたっぷりと染み込ませた特殊な革。油分を含んでいるため雨を弾くことが特徴である。
実際に、突然の土砂降りの中20分外を歩いた時、靴下が濡れていなかったという経験があった。(その時「雨の日だからパラブーツ」ということわざを体感した)
アウトソールはもちろんラバーソール。代表的な4種類のラバーソールのうち、PARA-TEXソールを採用している。
見た目の特徴は、中央に書かれた"RP"の文字。創業者リシャール・ポンヴェールの名から取っている。空気を蓄えられる構造(ハニカム構造)になっている事から、クッション性があり、長時間歩いても疲れにくいのが特徴だ。
実際、自宅から釧路駅まで(1時間はある)歩いてみたが、疲れるどころか足に革が馴染んでくれて、むしろ快適になった。
初めて買うなら、やはりシャンボードをオススメしたい。1足目に違うモデルを買ったとしても、後から必ず買い足すことになるだろう。
【neuilly】
こちらはハイカットでストレートチップのヌイーというモデル。製法と革はシャンボードと同じ、ノルウェイジャン製法とリスレザー。カラーはカフェと呼ばれる焦げ茶に近い色だ。
自分の足に合っているからなのか、1度も靴擦れせずに今まで来た。むしろ冬の歩きやすさでいったら、シャンボードよりも快適で、本当に滑らない。
その理由は、北海道の冬に最適なアウトソール"Griff llソール"だと思っている。
Griff llソールはグリップ力に長け、雨や雪でも滑りにくい特徴を持つ。夏に履くブーツも好きだが、ブーツは冬にこそ生きると考える派な私は、北海道の過酷な冬を乗り越えるためにこのneuillyはかなり役立ってくれる一足だと想っている。ノルウェイジャン+リスレザー+Griff ll +ブーツは史上最強だろう。
最後に1つ、革靴を買う時には、必ず試着してから買っていただきたい。ヌイーを買った時、冬用の厚いソックスを考えて少しゆとりのあるようなフィッティングをした。しかし、私の右足が左足よりも7ミリ小さかったことから、右足の舌革(足の甲と紐の間の革)だけにクセがついてしまい、歩いているとズレてしまうようになった。
それに、ブーツは表記されたサイズよりも大きく作られている事が多い。
フィッティングを誤ったことが、本当に今でも悔やまれる。この記事を読んだ人には、そんな後悔はして欲しくない。20年、30年と履ける靴ならなおさらだ。だから、革靴はフィッティングしよう。
あなたの日常の歩く行為が、少しでも愉しくなるような、そんなキッカケになれたら嬉しく思う。